富良野二日目

Chartreuse2007-12-02

富良野2日目は、相変わらずまずい朝ご飯を地下の窮屈なバンケットホールで食べて、8時半からゲレンデにでる。昨日の吹雪は嘘のように晴れ上がっていて、輝く銀世界が美しい。雪はさらさら。この世のものとは思えないほど楽しい。説明の苦手な同居人のアドヴァイスにも耳を貸す余裕がだいぶでてきて、自ら教えを請うたりする。ああ、楽しいなあ、楽しいなあ。ばかみたいにつるつる滑って、11時半、ちょっと早めのランチタイム。ビールに、カレー、シチュー、ポテト、ピザと、スキー場のロッジだとは思えないほど豪勢なランチ。宴会だ宴会。午後になると雲がでてきて、また吹雪。さぶい。凍るようなリフトで再び山頂を目指すとき、イヌイットや、チベットの民が、アザラシの脂とか羊の脂身を食べる気持ちがなんとなくわかった。
2時半頃に上がり、ちょっとごろごろしてから今日からオープンのニングルテラスにお散歩に。ここには手作りの雑貨の店が並び、別にいらないんだけどついつい手を伸ばしてしまうものがあって危険。同居人が子供のために、変わり笛を選んでいるのをみていたら羨ましくなって、私もなんだか、アラブの蛇遣いのような音のでる笛を買う。結婚式の余興にちょうどよさそう!そんなこんなでぱらぱらと無駄遣いをし、森の奥にある、喫茶店森の時計台に行く。ここも倉本さんのドラマに出てきた店らしく、相変わらずドラマを見ていない我々にとってはどうでもいいのだけど、店内は落ち着いて良い感じ。カウンターとテーブル席があり、カウンターならなんと自分で珈琲のミルが挽ける!らしいけど、自分で挽きたくない我々はテーブル席に座る。窓の外は雪景色、暖炉の音(あ、昨日と似たようなことを書いてる?)。なんだか静かで素敵だなーって思っていたら、いきなりおばさんの集団で店内はごった返してきて、写真を取り合ったり、大声で笑ったり、ぎゃあぎゃあとカラスの集団のような騒ぎになったので、店をでることにする。
ぶらぶらと散歩をしているうちに、17時になる。辺りはもうまっくら。17時からは最上階のラウンジのハッピーアワーでカクテルがすべて500円だというから、お食事前にそちらで一杯やっていくことにする。ラウンジには相変わらず人は皆無。二人きりで窓辺の席に座って、今日からはじまったナイターのライトアップされたゲレンデを眺めながらカクテルを飲む。一面のガラス窓の外には後から後から雪が降ってきて、やがてウェイターがやってきて、「飽きませんか」と訊ねるまで、ひたすら眺める。
カクテルを3杯くらい飲んで、隣のレストランに移動する。フレンチのコースは昨日でこりごりだったので、ディナー券は4700円分らしけど、3500円のイタリアンのコースでもいいかとたずねると、返金できませんので、アラカルトで注文して下さい、との良心的な答え。私はオニオングラタンスープを、同居人は北海道とうもろこしスープを追加注文して、コースに組み込む。結果、昨日よりもずっと美味しくて、満足いく内容だった。良かった良かった。
そんなこんなでお食事をして部屋に帰ってもまだ8時。もういちど、真っ暗になったニングルテラスを散歩したら、さっきはなかった雪だるまがいくつかできている。あっという間に雪って積もっちゃうのね。雪だるまなんて久しくみていないから、それだけでなんだか嬉しくなって、やっぱり私は、子供が生まれたら極地で育てたいと思う。つまり北海道とか沖縄とか。北海道なら雪があるし、沖縄なら海があるし、どっちでもいいけど、東京のせせこましい暮らしはいやだなあ、と思う。ちょっと前までは暖かい土地が良かったけれど、プラネットアースコウテイペンギンの章を観てからは、寒い地域もいいなあ、と思う。生まれてきた子がオスならば、マイナス50度にもなる厳しい寒さの中、じっと卵を守るような忍耐強い子に育てたい。そんなことを思いながら、ライトアップされたログハウスの小さなショッピングモールを、ぶらぶらと歩く楽しい、楽しい夜でした。