I can’t get no satisfaction

ただいま伊豆に来ています。
今回は愛車べりこ(ベリーサ)ではなく、プジョー207での旅。オープンカーになるタイプなのですが、生憎の雨。しかし私は雨の日もまあまあ好きなので特に不満もなく出発です。
プジョー207ccはスポーツカータイプなので当然車高が低い。べりこに慣れた身には当初は息苦しく感じますが5分もすれば慣れます。ハンドルも安定しているし、アクセルの踏み心地もしっかりしていて、運転していて楽しい車です(と恋人が言っていた)。しかし若干の不満があり、スピーカーが前2箇所にしかついていないため、音楽の迫力がぜんぜんないことと(まあこれはオプションでつければいいのだろうけど)、シートベルトの出発地点がはるか後方にあるため、えいさっと半身を返してシートベルトを掴まないといけない。まあねじり運動は脇腹のシェイプアップに効果的だというからまあこれはこれでいいのだけど、もう少しこれを工夫してくれるとありがたいです。しかしまあ全般的に楽しい車で、車高が低いため地面に近く、高速道路などでは実際よりもスピードが出ているように感じる。西へ向かう道を滑らかに疾走する。否応なく気分ももりあがります。

本日の宿泊は、湯ヶ島温泉にできたばかりの「隠れ家的高級スパホテル」。全15室の客室には、すべてに川に面した露天風呂付き。フロントはなく、いきなり部屋に通されてお部屋でチェックインです。部屋は最低でも55平米。こちらでも充分なのですが、テラス付きのリバービュースイートならば、テラス付きで目の前に広がる森と川のせせらぎがより間近に感じられておすすめ。まあ値段も3万円くらい違っちゃうのだけど。
このホテルにはパブリックスペースがいっさいなく、宿泊者同士が顔を合わせるのは唯一レストランだけです。しかしそれも充分に距離がとってあるので「こんばんは」とか会話を交わすこともない。ちょっとなにか訳あり?ってくらいプライベート感を重視したホテルです。これはこれでいいのですが、私はもうちょっとパブリックスペースが欲しい。バーカウンターのあるラウンジなんかあっても良いのじゃないかと思う。そこでカクテルを飲みつつ本を読むような。だってこれでは、本当にやることといったらお部屋で温泉に入ることとセックスしかないと思うのだけど、まあ実際に訳ありな人が多そうだからそれはそれでいいのか。
いや、もちろん宿泊者には年配の女性同士とか老夫婦とかいうグループもいて、カップル以外でも大歓迎らしいです。
ここで素晴らしいのはお食事。かつてミクニで腕をふるったシェフが、地場の素材を使って創造性溢れる繊細でしかも骨太の料理を作ります。お任せのコース一本なのですが、突き出し、冷前菜、温前菜、スープ、お魚料理、お肉料理、チーズプレート、デセール、小菓子までつくフルコース。ワインもお料理に合わせてグラスで用意してくれます。なかなか都内のレストランでも、ここまで楽しそうに飲み物と料理の相性に気を遣いサービスしてくれるレストランは見つからない。ついついこちらも楽しくなって、シャンパン、銘柄の違う白2杯、重めの赤1杯、チーズに合わせてブルゴーニュピノ・ノワール、デザートの白ワインと、計6杯も飲んだ。今これを書いている段階ではまだ精算が来ていない。いくら来ちゃうんだろう。どきどき。とにかく、良いレストランでした。ここはお食事を愉しむという目的で泊まりに来てもいいと思う。
部屋に帰れば、またお風呂に入っていちゃつくしかすることがない。
だんだんと火照ってくる体で、思わず仰いで息を吸い込むと濡れた夜の空気が体を隅々まで満たして気持ちいい。体が否定するかと思ったけれど、そんなことはない。そんな一義的には人はできていない。もっと身勝手でわがままで、享楽に弱い。頭の中は目の前のことが100%だけど、追加分の余地がある。私が困っているのは、その追加分が何%あるのか、未だに推し量れていないところ。5%なのか100%なのか。
その未知の%に実際に触れたとき、今の100%はどうなってしまうのだろう。そのときの目の前の%よりも今の100%が大きいとき、「良心の呵責」というものが生まれるのか。それとももっと都合が良くて、私はそのとき目の前にあるものを100%と思うのだろうか。
考えても、考えても分からない。分からないから、とりあえず今目の前にある幸せに溺れてみる。100%安心している。これは強がりなんだろうかと自問自答してみる。わからない。とにかく抱いて欲しい。今すぐ。