美味しいコーヒーを

Chartreuse2007-09-10

やっぱりiMac買っちゃった。私ってだめな女ねとか妄想に浸っていたいのに、最近なんか同居人が売れっ子だ。なんと来月の収入は単月ベースだと私を抜く。もちろん敏腕マネージャーである私の営業が花開きそこからの収入もあるのだが、臨時的に増えたのは、彼が今まで築いてきた人間関係から発生したものであり、こつこつこつこつと仕事をこなしていく能力は大切なのだなあ、とつくづく思う。私だって結局のところ彼の人柄と仕事への責任感というところを非常に信頼しており、その他の部分ではいろいろと、本当にいろいろと不満はあったけれどでも、そんなのどうでもいい。今、問題なのは、彼が私の収入を抜くことであって、もちろん、それは私の願ったことであり私の努力の結果もかなりあるのだけど、なんだこのおもしろくなさは。意外なことに(意外だと自分では思っているのだけど)私は、「だめな恋人を支えるやり手の彼女」っていう地位がすっかり気に入っていたみたい。女性上位時代。期待したほどおもしろい映画でもなかったが、いやここでは関係ないけど、だってもともとは、河の下流で口を開けて待っていたら流れてくる魚が口に入ってくるクロコダイルに死ぬほどあこがれるほどの怠け者なのに、そんな私ががんばる原動力と言ったら困っている恋人を助けるためにがんばる、しかないのだ。で、不満を言いながら働いて、ありがとうって感謝されて、それにつけ込んで甘えてっていう。ああ、結局私は甘えたかっただけなのか。だけど力関係が対等になると、甘えることもなかなかできなくなる。ああ、そうか、甘えるというのは、下から上への行為ではなく、上から下なのだな。で、私たちが巧くいっているのは、こういう上下関係を意識する、というか無意識に発揮してしまうのが私だけであって、もうひとりは全くその辺には無頓着ということだ。「持ちつ持たれつ」。彼はいつでもそういうスタンスで生きている。ハッピーな人。底抜けに明るい人。
そんな私たちは今は落ち着いていて、倦怠期というか、まあいつまでもつきあった頃のペースでいたらお互いに疲れちゃうからそろそろちょうどいいのだけど、あまりにもロマンティックなこともないので、ごくたまに誘ってくる人と飲んでたまには一晩限りのアバンチュールをとも思うが、現実的にそんな時間がない。
結局もう3週間、ちゃんとしたお休みはない。一日のどこかで仕事。疲れたよう。休みたいよう。今日、次の特集の最後の取材が終わり、これから原稿を書くのだが、水曜日からは次の取材が入り「夜遊び特集」とかいうような企画だったはずだから、またハードな毎日が続きそう。睡眠不足のため顔に吹き出物ができていく。もしくはコーヒー特集の取材で毎日大量に摂取するカフェインで胃を壊したため。コーヒーの取材は疲れたがまあ勉強にもなって、一番の収穫は本当に美味しいコーヒーに出会えたことだ。ちょっとびっくりした。コーヒーって普段ごく普通に飲めるものだけど、本当に美味しいコーヒーって、本当に美味しいんですよ。目が覚めるようなおいしさ。今まで私が飲んでいた珈琲ってなんだったのかしらっていう。ほら、飲んでみたくなったでしょ?
それで今日は取材で得た知識が疼いて、取材からの帰り道、デパートでコーヒーポットやフレンチプレスの道具を買った。だってさ、朝起きたときや午後のまどろみの時間に、とびきり美味しいコーヒーを淹れてくれる女の子(もう28だがな)って素敵でしょ?結構私は行動の基本が誰かのため、なのだ。まあほめられたいってのもあるけれど。
そんな私は、急にゴミ箱が欲しくなり、家中のゴミ箱を一新した。ダネーゼの斜めになったゴミ箱と、エッセイの「Bin Bin」。なんか二つ買ったら15000円もした。ゴミ箱で15000円って。ゴミ捨てるだけなのにね。
夕ご飯はスリランカで買ってきたスリランカカレーのスパイスの素を使ってカレーを作って食べて、夜9時から庭の湯に行く。ひどい頭痛と身体の冷えだ。今この温泉施設が爆発してもなんの悔いもない。それほど疲れているけれど、せっかく買ったコーヒーのポットは一度くらい使ってみたいし、美味しいコーヒーを誰かに淹れてから死にたい。
たぶんみんなそんな風にして、少しずつ生きる意味を繋いで毎日を乗り切っているのだろう。