人生に必要なものは

Chartreuse2006-05-12

先日は、ホテル西洋銀座のフレンチレストラン「レペトワ」にて、
「八寸フレンチ」(九重の喜び)を頂きました。

「レペトワ」は、とても美味しいフレンチレストランです。誰を連れて行っても間違いなく美味しい!と言ってもらえる安全牌。
凡庸になりがちなホテルの中のフレンチとしては、群を抜いてすばらしいと思います。
また、ホテルレストランというだけあって真価を発揮するのは大勢での食事のとき。一度に50名、100名という大量のお料理をあれだけ高レベルで仕上げる厨房というのは、一体どういう作りになっているのだろう?たぶん戦場のように激しい舞台が繰り広げられているとは思うのですが、もちろんそんなことは一切感じさせない優雅な食事が楽しめます。目の届く範囲の少人数のお食事ならば同席する方の好みも考えて小さな個性的なフレンチも楽しいですが、大人数になるならば、絶対にこちら。ワインも良心的なものがそろっています。

で、「八寸フレンチ」なのですが、これは驚き。まず初めに、日本の伝統料理・茶会石の「八寸」の心とフレンチの前菜を融合させた、重箱がでてきます。「八寸」とは茶会石料理の中の一皿で、八寸(24ʘくらい)のへぎ盆に盛って出される料理のこと。海の食材と山の食材の両方を取り合わせ盛ったものが通常で、今では前菜全般を指すよう。目の前の美しいお料理を頂きながら、亭主と客が杯を交わす、くつろぎのひとときということ。
今回レペトワで提供されるのは、そのお料理の心をフレンチに盛り込んだもの。とはいえ、お食事は純然たるフレンチで、そこにちょっとした和の要素(たとえばホワイトアスパラガスのソースに木の芽をあしらうといったような)を盛り込んでいます。お重に盛られたお料理は、自家製スモークサーモンや水牛のモッツァレラチーズ、赤ピーマンのムースやフォアグラのムースなど、温かいものや冷たいものがバランスよく取り合わされていて、一品一品とても手の込んだもの。これは、一皿一皿ワインを変えて、ときには大吟醸などをちょっぴりグラスで頂きながらいただきたい雰囲気。たとえばここにとまってルームサービスなんかで頂くのもたのしいかも、なんて想像してしまいます。
次にお魚料理で、鮮魚のオーブン蒸し 軽いアサリのバターソース セロリの香り、そしてお肉料理が国産牛フィレ肉のポワレ エシャロットソースとカベルネソーヴィニョンソース。この二皿はしっかりフレンチです。とはいえ全体に軽めに仕上げてあり、もたれる感じもない。肉料理はカベルネソーヴィニョンのソースにコクがあり、脂っこくはないのですが満足度は十分。
こういう遊び心に満ちあふれたフレンチは楽しいですね。
また、デザートは和料折衷のオリジナルデザートで、その日は、豆乳のアイスクリームとチェリモヤ、抹茶の寒天が盛られ、赤えんどう豆の代わりにブルーベリーの実が散らされています。

こちらにかけるシロップがパームシュガーのシロップ。ちょっと塩気のあるソースは、そうだな、ちょっとだけみたらし団子のタレみたい。と、いうわけでとても楽しく美味しいお食事でした。

プリフィクスにもそろそろ飽きてきたし、たまにはこんなフレンチもいいかも。好評なので、6月末までの予定を変更して通年で出される予定みたいです。八寸は季節によって変わるので、また秋口になったら行きたい気分。

http://www.seiyo-ginza.co.jp/news/repertoire_028.html