シャンパン12杯

金曜日はいやにプレゼンテーションパーティーが重なり、計12杯のシャンパンが体内に消えた。世の中のシャンパンの消費のほとんどはこういうどっかのメーカーのプレゼンテーションパーティーに消えるんじゃないかと思う。
このところ「腕時計」を扱うことが多く、今日目にした最高額は1500万円。70万円くらいの時計は「お手頃ねえ」って感じになっちゃうから怖いものでございます。それにしても、「腕時計」というのは奥の深い世界ですねー。おとといはイギリスのとあるメーカーのCEOにインタビューしたのですが、作り手は「時」の意味だとか、そういう哲学的なことまで考えている。考えて、考え抜いて、ひとつの作品を仕上げる。そういう精神を知った後は、ディスプレイに並ぶ時計ひとつひとつが、とても生き生きと輝きだします。そう、私の役目はそんな背景をできるだけ多くの人に伝えること。忙しいと、時間に追われてついつい私の本来の役目を見失ってしまいます。
夜9時をすぎても取材が残り3件というのはなかなか疲弊する話なんですが、最後は恵比寿のとある会員制のバー。ちょい悪親父たちが集まっていて、それはそれでおもしろいです。ここで落ち合った上司42歳に23時をすぎたあたりで飲みに誘われついていくと西麻布のレストランだったのですが、おすすめは「フォアグラ丼」。こんな時間にどっちがフォアグラなんだか、と思いながらもにこにこと大絶賛をおくる。まあ普通においしいです。だけど、どうしてこれとシャンパンを合わせるのか理解できないし、向こうの方にグラスワイン用に置いてあるカオールのボトルを横目で見ながら、でも、これは、今日は、おいしさを追求するわけではなく、つきあいなんですよ、と自分に言い聞かせる。だけど、だけど私は丼にするなら普通の牛フィレとかサーロインとかの方がいいなー。妙にまったりなんだもん。もし私の恋人ならば、たぶん焼き鳥屋とかもしくはピリッと辛いラーメンをだす台湾料理屋とか、そういうところに連れてきてくれただろうなあ、と思いながら、ピスタチオアイスクリームを飲み込む。疲れた一日でした。

昨日は一ヶ月ぶりに女の子のお友達とお茶。新宿でとくに歩き回りたくもなかったので手近にあったタカノフルーツパーラーに入り、ちょうどフェア中の「ストロベリーパフェ」を頼むと出てきたのはおばけいちごがもりもりのったパフェで、これは私の知っているいちごじゃない。なにか、別の新しい果物だろう。
その後恋人と落ち合ってAirMacエクスプレスを買う。それで自宅のオーディオセットにとばす。おお!すばらしい。今までaiwaのへぼへぼスピーカーから流れいた音楽とは別物だ!私がカルロス・クライバーの、ベートーベンとかシューベルトを聞いていたら、恋人がQueenのCDを出してきた。新品のライブ版3枚。まだ開封していない。なんで開けてないの?と訊いたら、楽しみにとっておいたんだ、と。一昨年の自分の誕生日に購入可能なQueenのアルバムすべて(およそ6万ちょい)買って、ちょっとずつ、開けていくんだと。またひとつ、私は年表に項目を追加して、それにしてもこのオーディオセット、こんなにすてきなのにどうして今まで活用しなかったのか罵って、今日は昨日デパートの地下で仕入れてきた牛すじとすね肉のカレーを作るので、ひたすら家でことことと煮込みながら、いろいろなジャンルの、お互いが様々に背負ってきた過去の音楽を、一日中聞き続けるのです。