川は上るもの

Chartreuse2006-02-19

昨日は隅田川下り(上り)に行ってきました。
実はこの水上バスデートは今3回目。最初のデートは最悪で、次のデートは必死で、今回のデートはリラックス。
都営大江戸線で大門まで行って、てくてくと日の出桟橋に向かいます。1時の水上バスに乗るつもりだったんだけど、到着は15分くらい前になりそう。もしかして大混雑で乗れぬのでは、というのは杞憂に終わりました。がーらがら。すぐに船がやってきて、さあ、クルーズ開始。ちょっとさぶいけど、もちろんデッキに出ます。

日曜日だし大混雑かと思ってたのだけど、乗っているのは、ジーンズの裾を20センチくらいロールアップにしたチェックのネルシャツのおじさんと、堅気じゃなさそうなおじさんカップルと、外国人旅行者数名。私はローライフレックスミニデジを手にしていたのだけど(連れのだけど)、それが外国人に大好評。もう高画質高機能を求める時代は去ったのよ!カモメがついてきて、やあ!て感じ。知らなかったんですが、カモメってのは船をみるとついてきてしまうんですね、うっかり。えさがもらえるわけでもないのに、うっかり船のあとをついて行くということについてなにか意味があるんだろうかとぼんやりと考えていたら、曇っているのに水上というのはやけに明るくて、私の瞳孔がその明るさにうまく反応できず、なんだか開きっぱなしになってしまったみたい。すごくまぶしくて涙がぼろぼろでてきて、同時に聴覚までおかしくなってしまって、そういえば自宅の近所の駅の駐輪場で恋人が自転車に施錠する「かちり」という音が今更耳に響いてきたけれど、私は鍵をかけた覚えはない。あわててポケットを探すけどチャリの鍵はなくて、だけど鍵をかけ忘れたことを訴えるのはうんざりさせるだけだからやめよう。
さて、隅田川クルーズ。世界でいろいろな川を下ってみましたが、ここほど統一感のない橋のかかっている街はない。ひとつひとつが個性的というか、凡庸というか、なんとまあ、中途半端な。だけどそれはそれで楽しくて、日本という国の性質を象徴しているように思われる。住んでいる人間の自意識のなさというか、よく言えば柔軟なのか、たとえばドイツのような国から来た人にはミラクルだろう。
冷たい風に吹かれながら地ビールを飲んで大満足。
そして浅草到着。お昼ご飯は三定で天丼です。衣がぼってり厚くてごまの香りの効いた浅草風の天丼。
ああ。江戸っ子だね。やっぱり私はしみこみ系の食べ物が苦手で、天ぷらをからっと揚げてべちゃっとさせる意味がわからない。さらにふたがしてあると湯気でべちゃべちゃになる。だけど保温には効果的なわけで、このふたについて恋人に相談してみると、穴あきのふたならば良いのではないかと。まあ、たしかに保温効果は少し劣るかもしれないけど、湯気がこもってべちゃべちゃにはならないかも。でも風流じゃないなー。
その後人形焼きを食 べ、浅草寺を詣で(前のカップルはちょっと祈りすぎ。常識の範囲内で参拝しようよ)、おみくじを引き(凶だった:-))、浅草でできることはすべてやり尽くしたのでとっとと帰った。帰りに銀座に寄ったら、銀座は歩行者天国になっていて、なーんだか幸せな感じ。
銀座をぶらぶらしながら、器用な人は不器用な人をみて苛立ちがちだけど不器用な人はそれなりに必死に生きてるのだから怒ってはいけないと恋人に説いて、別に怒ってないよという恋人に、だから怒ってるときに言っても聞き耳もたないから平穏なときに言い含め説くのよとくだらない話をしながらプランタン銀座のビゴの店にパンを買いに行く。私たちは休日の朝ごはんを何よりも大切にしていて、必要なのはおいしいバケットと、チェダー、ゴーダ、モッツァレラなどのチーズ、黄身がふっくらと盛り上がる新鮮な卵と、ちょっとだけ奮発した上等なハム、ホイップしたようなやわらかで風味が良いオラッチェバター、そしてハッシュドポテト(これは西友の冷凍品4割引の時に買うやつでOK)。それらを卓上のホットプレートで焼きながら、ミルクを加えたイングリッシュブレックファーストティーと、オレンジジュースを飲みながらゆっくり食べます。この朝の儀式はとっても大切で、これがないと良い休日にはならない。うっかり買い逃すのがパンで、パンはほかの食材のように買い置きができないし、おいしいパンはそこら中にあるわけじゃなくて、やっぱり意識して買いに行かなくちゃならない。だから私は休日の前日の午後はほぼパンのことしか考えてない。どこの店でどのタイミングで買おうか。だってあんあまり遅くなると売り切れるけど、フランスパンみたいに細長いものを鞄に入れて外回りのお仕事にいくわけにもいかないし。ビゴの目当ては、ちょっとライ麦の入ったビゴ自信作のバケット。売り切れのこともあるけど、今日はまだ残っていた。ラッキー。
そんな感じでとても楽しい一日だったし、翌日の朝もすばらしい朝になりそう。