引っ越しの要因

久々に逢った友人には口をそろえて「穏やかになった」「優しそうになった」と言われる。私、そんなにとげとげしかったかな?
このところ落ち着いた生活を送っているしゃるですが、同棲を始めて落ち着いた・・・とかそんなんじゃなくて、単に一ヶ月間もヨーロッパをふらふらして極貧になったってだけです。一回3000円の食事が辛い。当然一回飲みに行くにはとうていたりぬ金額です。アヒルの子みたいに恋人にくっついて歩いてエサを食べさせてもらってる・・・ていうと表現が悪いけど、それはそれで楽しいんですよ。家でサンマ焼いて食べたり、昨日なんて焼き肉食べたいなっていったら、夢みたい!おうちで焼き肉パーティーだ。満腹になってお風呂から上がったらきれいにキッチンが片づいていて、さらに私のブラジャーがそれはそれは丁寧に慎重に干されてる。あはははは。
なんてことを言うと私がまるで姫のようですが、そうです。姫デスヨ姫。だからと言って、有る程度身の程をわきまえてる(つもりな)んで、私もお風呂掃除とか可愛いベッドカバー買ったりとか、ハロウィンのかぼちゃの飾りなんか玄関に飾ったり、ガーリーなランジェリーをそろえたりして、がんばってます。


かつて占い師の友人に、私の婚期は27歳と32歳だと言われた。そのときは26歳になりたてで最もやさぐれていた時期なので、ふふんと鼻で笑ってたけど、わー、すごい当たってるじゃん!でも32歳のときの方がより良縁なんですって。だからと言って、その32歳のために今の幸せを捨てるなんてことはしないよ。欲張りだもん私。今よりももっと幸福な縁が32歳であるなんて、5年後が楽しみだわ。

とはいえ、まだ少し、私物の残っているアパートに、ときどき戻って整理したり処分するとき、5年間の私の気持ちの端々が激しくやってきて、思わず胸を押さえる。働き蟻のように丘を下って本を借りて丘を登る。6月の夜、梅の実が落下する音の中で、狂ったように飲んだ。馴染みのバーや、喫茶店。大好きだった。この町が。
そういえば、ここに引っ越してきたのは前回の恋が終わったからだったなあ。
今回も恋により引っ越すわけだけど、なんだろう?引っ越しの要因の第1位って、もしかしたら恋なんじゃないだろうか、と思う。