天秤

香水を変えたい。特に理由はなく、私は香水をころころ変えるのです、気分によって。ベーシックに使うものが 1本あり、その他 2、 3種類をその日の気分で使い廻している。私は記憶の大方を嗅覚に頼る女で、もし相手もそうならばこれは戦略上あまり好ましくないが、だってつけたい香水がその日によって違うんだからしょうがないじゃんー。だけどここ 4ヶ月は1本の香水しか使わなかった。それは昨年末美少年にもらったもので、異常な勢いで使い切ったので 2本目は自分で買った。だから、もういただきものではなくて、今変えるのは別に全く失礼でもなんでもないハズです。しかも。彼と私は恋人ではないのだから、裏切りでもなんでもないのです。だけど変えるのにためらってしまう。本当に反則ですよね。香水を贈るのは。
処女よりも 初めての香水を 贈る男選びを慎重に
昔ノートのすみっこに綴った句。あはは。


真珠の耳飾りの少女」を観た。

真珠の耳飾りの少女 通常版 [DVD]

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フェルメールの話。映画自体はたいそう退屈で、マニュキュアを塗りながら観てしまったが、フェルメールの好きな絵について思い出すことができて良かった。「天秤を持つ少女」という絵。「最後の審判」の絵に背を向けた少女は、目を伏せて、微笑みを浮かべて、天秤を手にしている。天秤は空っぽ。その表情はとても穏やかだけど、悪戯っぽくもあり、何かを悟った後の最後の賭をしているようでもあり。フェルメールの他の絵はあまり好きではない。女性が、血の通わない昆虫のように見えるから。そういえば、今度ヨーロッパに行ったら絶対にルーブル美術館で、レオナルド・ダ・ヴィンチの「聖アンナと聖母子」を見よう。昔行ったとき今よりももっと無知だった私は「モナ・リザみたいな微笑みを浮かべた絵があった」と思った。覚えているのは、聖母の洋服の過剰な襞と羊の巻き毛の精密なこと。薄い背景に比べてリアルで不均衡なようだけどすばらしく完璧で、ああ、美しい絵だなあと思った。後に、ダ・ヴィンチのものだと知った。ちゃんと勉強していかなくちゃあねえ。



先々週の金曜日、一晩飲んだけど顔を覚えていない男から、再びデートのお誘いをいただいた。「もしよろしければ、富士急ハイランドマザー牧場にでも行きませんか?」
その動揺を姉にメールで伝えると、「よかったじゃん。両方じゃなくて。すごい移動距離になっちゃう」。わー、おねえちゃん前向きー。私は明らかにもてない女で、こうしてお誘いいただけるだけで非常にありがたいと思う。だけど、富士急ハイランドマザー牧場も、辛い。絶叫させられるのも醜いし、動物は好きだけど別に子供の頃結構行ったから 26にもなってウサギとか鶏とかと触れあわなくてもいーや。しかもその人は一目惚れが全てな私と違って「相手のことをよく知ってからじゃないと付き合えない」という人で、富士急ハイランドマザー牧場で、私はその人のおめがねに適うか試験を受けるというわけ。そこで魅力を発揮するのはとても難しそうだ。テンションを高めに保っておくだけでも難しそうなのに。それに私、バターもチーズも普通に趣味として自宅で作るから(いやマジで。昔はスパークリングワインとか作ってたし)わざわざ牧場で体験しなくてもいいんだよ。あー。でも乳搾りは得意だから、マザー牧場にもし乳搾り体験コーナーとかあれば特技が発揮できるかも。でもさあ、とても上手く乳を搾る女の子に魅力を感じてくれるかしらね?私が男なら、うどんみたいな太さの牛乳をバケツに放出させる女の子にちょっと魅力を感じるかもしれないけど。て感じで、今日は夕ご飯にローストビーフを作ってみました。せっかくオーブンがあるのだし、牛のブロックを買ってきて、ニンニクを刷り込んで、香草を敷き詰めてオーブンで焼くの。簡単だけどとっても美味しい。そしてスペイン産のとても重くてスパイシーな赤ワインと食べる。一人で食べる。私いい女ー。半分以上残ったローストビーフは明日、スライスしてご飯の上のっけてバルサミコを煮詰めてローストビーフの肉汁と合わせて作ったソースを絡めて「ローストビーフ丼」にしよう。うわあ美味しそう!あー。ダイエットダイエット!!