Chartreuse2006-08-23

ちょっと九州に行ってきました。
行きは18日。朝7時50分発、長崎9時30分着というちょうど台風のど真ん中に向けての出発。大分便は欠航、長崎便も福岡着もしくは東京に引き返すという警告を受けてのフライトになりました。 とはいえチェックインをすませば、刻々と変わる羽田のおみやげ事情を観察して驚きます。


当日は張り切って朝3時に起きて、相変わらず生活が不規則っぽい元彼と電話で楽しくおしゃべりをしていたので、飛行機の中ではおねむ。うとうととしていたら、当機はまもなく着陸しますというアナウンスが遠くで聞こえる、かと思うとがたーんと揺れて、これは9.11かと思うくらいにぐらぐらと、半ば機長の意地じゃないかと思うくらいに強風大雨の中を無理矢理着陸する。あー怖かった。
しかし長崎。 大雨だ。前回長崎に訪れたときも大雨。長崎は今日も雨です。そして強風。まあそれでもとりあえずレンタカーオフィスに向かい、4日間お世話になる車を借りる。マツダデミオ。とくに心浮き立つ車じゃないが(どんな車が心浮き立つかというと、ジープチェロキーもしくはベンツBクラス。レンタカーにはまずないね)乗ってみると意外に快適。マツダは良い車をつくるでやんす。なんだかね、彼っていい人だよね、刺激的じゃないけど安心できるって感じ。最終的に安心できる彼に落ち着くか否かはもちろんヒトによるけど、私は最終的に落ち着いた(と一瞬は思った)相手すら15歳年上の子持ち。マツダ君の良さは知りつつ、マツダ君ではちともの足らぬ。ガルウィングになったらおいで。
さて雨の長崎でやることと言えば、ちゃんぽん。ちゃんぽんを食べに市内に向かい、おそらく観光客の8割が行くんじゃないかと思う四海楼へ。ちゃんぽんと皿うどん細麺をいただきます。いつも思うけど、この油で揚げられたぱりぱりの細麺は食事として認めていいものか。ベビースターラーメンじゃん。なのに妙に本格的な海鮮風味。いや、いいよ。まずいとは思わない。しかし私はこれを食事とはみとめなーい!

そんですぐにやることもなくなり初日の宿泊地、雲仙へ向かう。雲仙の宿泊は「九州ホテル」という歴史あるホテル。古いだけあってかなりお部屋にも年季が感じられますが、まあ風格がないと言えなくもない。
ここのすごいところは、広大な貸切風呂です。かつては共同の浴場として使われていたものを、新しくお風呂を作ったので今では家族風呂として貸しているとか。さて、入ってみてびっくり。本当に20人くらいで入れそうな内風呂と露天風呂を二人で貸切。うーん。ちょっと寂しいけど、でも気持ちいいです。露天風呂からは相変わらず降り続ける雨音が心地よく、ああそういえば私は雨が好きだったんだわ、と思いだす。
それで部屋に帰ってちょっとうとうとしたあと、夕ご飯までやっぱりちょっとは観光もせねばということで雨のなかびちゃびちゃと地獄巡りをする。大雨の地獄には人もまばらでよござんした。

夕食は百年ダイニングというメインダイニングで。地元島原の素材を生かしたオリジナルメニューで、若干がんばり過ぎで技術がついていっていない感もあるが(コンソメジュレなど。でもジュレは非常に難しい料理だからしょうがないよね)、全体的に好意のもてるお料理でした。で、夜は特にいちゃつくこともなくご就寝。だって朝早く起きちゃったからね。9時前には意識がナイ。
朝は5時に起きて温泉に入る。うー、気持ちいいね。朝5時半という信じられない時間なのに、お風呂にはすでに5人くらい人がいてびっくり。で、部屋に帰ってやっと目が覚めてせっかく旅に来たのだからといちゃついて、朝ご飯を食べて、一路雨の中口之津へ。ここからフェリーに乗って天草へ行くのです。ものすごい霧の中を(元)恋人はどえらいスピードでとばすので、私はちょっと怖かったのですが、どうやら彼はひそかに私の想定していた9時半のフェリーの一つ前、8時45分を目指していたよう。口之津についたのは8時43分。フェリー乗り場のおじさんはとっても親切で、ぎりぎりについた私たちを乗せてくれました。乗り込んですぐに出発。フェリーから見る熊本方面は暗いけれど、天草方面は青空も見えてきた。うれしいな。

海岸を南下し、一路大江天主堂へ。 大江天主堂はひっそりとした雰囲気が素敵。シスターが帳簿をつけていて家庭的でした。その麓にある天草ロザリオ館へは、ロザリオがおみやげにが欲しいなーという軽い気持ちで言ったのですが、なかなかどうして見応えがありました。お葬式の時、隠れキリシタンたちは仏教を唱えるふりをしつつ実は屋根裏にいる神父みたいな人が壷の中にお経を閉じこめて蓋をして天に帰らせたんですって。それにしても島原の乱ではキリシタンというだけで3万7千人が殺されたってすごい話ですよね。今だったら大問題だ。ひどい話だ。

その後、崎津天主堂経由で、阿蘇へ。途中、エビの養殖業を営む「海老の宮川」で、特製の宮川丼を食べる。950円でこのボリューム。

阿蘇の宿泊は「阿蘇高原ホテル」というゴルファーのためのホテル。夕方からは雨も上がり、豊後牛のバーベキューを食べましたとさ。ホテルからのプレゼントでワンドリンクついており、プレミアムモルツを飲んだら、まあまあおいしかった。
明日は晴れますように。
2日深夜、昨晩も9時前に眠ってしまう。深夜2時、「しゃる、しゃる」と呼ぶ恋人の声で目が覚め、何かと思うと、雲がすっきりと晴れて夜空一面に星が瞬いていた。ずっと星がみたいと思っていた私はうれしい。だけど、雲ひとつない夜空にたびたび稲妻が走る。まるでどこか遠くの国で戦闘が行われているよう。不思議に爆撃音は聞こえず、夜空はただ無言で光るだけ。
再びベッドに潜り込んで明日も雨かなという私に、恋人は雷は遠くだから大丈夫だよ、と言う。そういえば、今日のホテルはツインだから、二人でひとつのベッドに寝るとちょっと狭いんだった。だけどすごく眠くて、遠くの国の戦争を思いながら眠る。続く。