困ったときの

替え玉って、卵のお代わりのことだと思っていました。だって、麺のお代わりってえらく満腹じゃない?


昨日上司がやってきた。
と、いうのはこの会社に入社して3週間、私は社長直接の命令で働いていたわけだけど、取締役常務とかいう人がきて、私の直属はその人になったみたいです。といってもたぶん40代前半なんだけど、なんだかな、まあ仕事はできるかもしれないけど、たぶんよく言うデキる人という人で、私はデキる男が好きじゃないので特に好意は抱いていないのだけど、それにしてもこんなに自己啓発ブックを絵に描いたような人がいるんだと思って感心している(それにしても鬱陶しいなあ。朝から機嫌いいし、時間には正確だし、えらくはきはき話すし、いやにアイコンタクトが多いし、12時きっかりにおなかすくし)。
しかし上司がいるというのはラクです。やなこともあるけど、全部その人の責任にしちゃえばいいんだもん。困ったら相談。責任逃れ。だって上司が一人で抱え込まずに相談しろっていうんだもんー。
それにしても私はこの上司になんの魅力も感じなくて、嘘っぽいカリスマオーラに包まれているところとか、まあ全体的に小粒感が漂っていて、本人はたいそう努力しているし、それは或る程度実績にも跳ね返っているし、まあそこそこ成功しているのかもしれないけど、なんだか見ていて気の毒になる。
で、なにがこの興味のなさの原因なのだろうと考えたときに、それはたぶん、私の好みなんだけど、きっと愛するものの対象が違うわけで、私は例えば種が好きだけど、もうなんの理由もなく、純粋に種が好きだ。きっと彼にはそういうものがなく、オペラもおいしいものも革の鞄も、その中に自分がいることとか、それを身につけた自分とか、全部が見事なまでに自分に還元されることが、つまらない原因なのかな、と思った。世の中にはどっちの人間がおおいんだろう?



さて。私はもう、今の恋人に将来を望まなくなってしまった。
今があればそれでいい。将来を望まなければすごく楽しい。
あれこれ要求をしたり苦しむのを辞めてしまったので、再び本を読み、美術館に行って、仕事に精を出す。恋の高揚は二年で冷めると誰かが言っていたけど、私の高揚は冷めたんじゃなくて、あきらめたんだ。
だけど無理矢理消した恋の炎のようなものはまだくすぶっていて、目を閉じたベッドの中でまだ、ほの白くじんわりと熱い。
一緒にいるのは楽しい。だから幸福なんだろう。一緒に過ごせるということは、なんてすばらしいことなんだろう。
これ以上、望むべくもない。


家族みたいな関係か、と言われると、それは決定的に違う。
私たちは家族じゃない。現実的に。


自分からでていくのは、ひどく勇気がいる。
誰か、誰でもいいから、私の前に現れてさらっていってくれるといいのに、と思う。
デパートで春物の洋服を試着して、試着室のカーテンを開けたとたん別人になって、
どこか別に家に帰れればいいと思う。


語り合っていくと誓ったけれど、語れないことは私の方に多いように思う。
彼には語りたいことはなく、私には山のようにあるのに。


それでも私は、彼の仏前での手の合わせ方が、
とてもきれいなので愛している。


結局私には、
彼が私の何を愛しているのかわからなかった。


君のすべてを。
そう言ってくれても、それは何を意味しているんだろう?


溝を埋める気力は萎えてしまって、
嘆かない私に恋人は順風満帆だと思っているかもしれない。


あーあ。どうして。
いつも悲しくなるんでしょうね。恋は。