時間望遠鏡

お誕生日プレゼントにオクソのサラダドライヤーをもらいました。すばらしい。ボタン一つで内側のネットが高速回転。レタスなどがぱりっと仕上がります。やっぱり良いです。オクソ。
ああ、次はバーミックスが欲しいよう。

OXO グッド・グリップス サラダスピナー (小) 1067266

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今のこの気持ちをどう表現しようか。それはかつてのように、体の細胞ひとつひとつで、髪の毛一本一全てがその人のことを思うような、もう少しで張り裂けでしまうようなせっぱ詰まった想いじゃなくて、だけど私の血液の、半分はその人のようなものである感覚。
愛している。
幾度となく今の恋人にこの台詞を唱えたけれど、今まで私が思い込んでいた「愛」とは全く別ものだから、果たしてこれが本当の「愛」なのか、それとも「愛」とはまたどこか別のところにあるものなのかわからない。などと考えて、私が求めているものは、一体何なんだろう、と思って笑ったりする。
いつものように最後尾の車両に乗っていた。恋人の肩におでこをつけて、操縦室越にぼんやりと外を眺める。私たちの下から生まれる線路には、私たちの通過後すぐに踏切があがり人々が横切る。そんなことがいつまでも繰り返される。いきなり、電車を飛び降りて、お願い全て止まってと、叫びたくなる。
「子供の名前は、出来るだけ分かりやすくて覚えやすい方がいい。小さなときに先生が正しく名前を呼んでくれないことに、子供は結構傷つくんだよ」と珍しく、他愛ないおしゃべりをするその人に曖昧に相槌を打って、かつての恋人達の、仰々しい名前を思いだしてみる。彼らなら、誰がどう呼ぼうがへっちゃらだろう。むしろ、その名に負けず、鮮やかだった。
私たちの子供の名前は、素直で分かり易い名前になるのかしらね?


時計が12時を廻り、私たちは再び15歳違いとなる。プレゼントの包みを破るその人は、本当に少年のようでその腕にぴったりとおさまったFREDERIQUE CONSTANTの腕時計のMoonphaseはちょうど、今年のその人の誕生の日が満月だと言っている。私は、ほろ酔いの、頭を醒まそうと満月を求めてテラスのドアを開けるけど、外は月の明かりをかけらにしたような雨。だけど私は、月よりの風を感じる。何かが急速に終わっていく。何が?