アディオス世田谷区

Chartreuse2005-10-17

「戦争は自然淘汰」が主義だと主張する恋人の言葉に、「私は誕生日にはホールケーキとモエ・エ・シャンドンが主義なの」と深夜無理矢理パーティーを開かせたしゃるですこんにちは。

上京9年目。昨日は世田谷区→文京区→港区→板橋区→世田谷区と放浪を続けた私の5度目の引っ越しとなりました。いよいよ、逃げ帰るアパートもなくなって、本格的な同棲スタートでございます(まだ両親に言ってないよ。どうしよう)。とはいえ隣には恋人のご両親様がお住まいでいらっしゃるので、前日になってようやくご挨拶(だってなかなか紹介してくれないんだもの)。追分だんごなんて片手にそんなに深く考えず行ったのだけど、これはもう、本格的よ本格的。居間のカーペットにみんなで円くなって座って、これまた13歳年の離れた恋人のご両親に「さてさて、どうするおつもりなんだか」などと言われて(当然だわな)、籍をいれるのはまだ先だけどなんて答える恋人の言葉をぼんやり聞きながら、そっかシステムキッチンとホームシアターと乾燥機付き洗濯機と広いお風呂と広々としたベランダとテンピュールのベッドと無線ランとにつられてうっかりきちゃったけどこりゃあ大変な人生の転機だったのかも、と思ったりする。兎にも角にもお引っ越し。冷蔵庫だの洗濯機だのベッドだの、大物は全て処分してしまったので今回は業者に頼まず自力でやります。とはいえ有能なアシスタント(恋人41歳)がレンタカーとか運搬用の袋とかすべて手配しといてくれたので(なんで朝7時引っ越し開始なのよ)、楽々だった。しかも恋人のマンションにはホームエレベーターなんてものがついてるので、一番の難関だった本の段ボール箱10個も難なく部屋に搬入できた(置く場所がないよう!)。エビス以外はアルコールを飲まない恋人のマンションに私の生き甲斐たちの専用スペースを作ってもらいご満悦。

その後荷物を下ろしたハイエース、7歳になったばかりの恋人の娘を中央に、島忠に日用品を仕入れにお出かけ。キッチンの棚を使いやすくしてだとか、洗濯ばさみのかわいいのが欲しいだとか、きゃあきゃあはしゃいだ帰り道、スシロー(スシくちいちだと思ってた)という回転寿司に行き、醤油の小皿がないことや走り回る子供やミートボール寿司に一気に疲労が押し寄せてきて、これからうまくやっていく自信をなくしたりするけど、この区ではホームセンターになってしまうマツモトキヨシに行って七厘を買ってもらったのですっかり機嫌も治っちゃう。一段落したらテラスで秋刀魚を焼こう♪
で、今日になって腕が痛いのは、別に引っ越しによる筋肉痛とかじゃなくて、引っ越しのお片づけの最中に処分しようと思って引っ張り出した布団の上にごろりと横になったら、ついつい遊び心が芽生えて荷造り用の紐で腕を縛られたりしたからです。あーあ。
午前中、仕事でちょっと時間が余った。雨の銀座。iPodからはChara。独身時代を想い出すね。ってまだ独身だけどね。ふらりと入った映画館ではゴダールの「アワーミュージック」。昨晩結石で苦しむ恋人に付き添っていて(本当に痛そうなのね、結石って)よく眠れなかったから前半うとうとしてしまったのだけど、一瞬意識が戻ってきた脳に飛び込んできたのは
個人の夢は、二人のもの。国家の夢は一人のもの。

そう。だから、お願いだから、私のくだらない誕生日の儀式と同程度の、「主義」なんて口にしないで。