Over the rainbow

帰国3日目。まだ夢の中にいるようです。
思考停止状態で選べた唯一の本といえば、村上春樹の「東京奇譚」。それを読むともなしにページをめくり、うっかりアントニオ・カルロス・ジョビンなんて聞きながら、雲一つない晴天のだけどいかにも東京らしい秋の空を山手線の車窓から眺めて、ああ、東京だなあと思ったりします。その感慨は、旅なの間に各地で思った、ああ、フィレンツェだなあ、ああ、ブダペストだなあ、ああ、パリだなあという感慨とさほど変わらなくて、驚いたりします。
だけど。
だったら、私の人生のリアリティーってどこにあるのかしら。

いや、怖がって逃げてるだけかもしれないね。リアルから。そろそろ向き合わないとね。
この3日間で、親友二人が来年結婚することが判明し、私が日本を離れてる1ヶ月間にいったいなにがあったの?
ああ、そっか。ふつうに時が流れてるだけか。麻痺していた時間感覚を正常に戻せただけでもこの旅は価値があったとするかな。
だけど間違いなく、この一ヶ月間は私の人生の中で大きな変革のときでした。

さて。蛇行する濁流はところどころ激流で、飲み込まれた丸太の私はどこに行くんでしょう?

だけど、濁流は意外と暖かくて穏やかで、身を任せれば心地いい羊水。それに気がつくには一端全部捨てて、クリアになること。そうしないと見つけられなかった私は本当に、本当に馬鹿だとは思うけど、でも、良かった。
こんな感じで総括です。

とりあえず、帰ってきたというご報告。
旅の思い出や、相変わらずの恋模様は(こちらも昨今華やかですことよ!)近々。