決意

その美少年との関係を、なんと皆に説明するか、ちょっと迷う。
「友達」だと、隠蔽されたエロティックな部分があるような気がするし、「恋人」だと、幸せな未来なんて当然なさそうに見える私たちの姿に、田舎の皆様は不純なものを見受けられるようで、あーもう面倒ね。
傷ついた美少年を拾って家で看病してるの。
これが一番説得力をもちそう。
当の美少年はと言えば、そんなことは歯牙にもかけず、我が家のテラスで半裸でくつろぎ(寒くない?)、無邪気にお裾分けのいなり寿司にはしゃいで海鞘を気味悪がって(海鞘を持ってきてくれたエンドウさん、ごめんね。でも海鞘の調理、本当に怖かったよ。ナイトウさん、いなり寿司うまかったですサンキュー!)、3等のスクラッチくじが当たった瞬間、歓声を上げて私を抱きしめる(確かに嬉しかったよね)。

考えるのは、やめよう。


この人の、人生の一部であるだけで、私は幸せだ、と思う。
そうありたいと思う。
だけど、私の中の凡庸な部分が、それは嫌だと言う。
私だけを愛してくれなくちゃだめだ、と言う。そんなプライドのない女でいいのか、という。
やっかいだな。別にプライドとかいらないのにな。
でもたとえ、愛していると言ったところで、「ありがとう」と微笑んで抱きしめられて終わり。
どっちにしろ、私は哀しいだけ。


でも、出会えてよかったと思う。


さて。そろそろ本当に東京に戻ります。
夢のような休暇は終わり(いや、目的は仕事ですよ、ちゃんと仕事しましたよ)。
まあね、夢だと思っているのは私だけで、置いてけぼりを食うのも私だけなんだもの。