今朝、サングラスをかけたじゃがいも上司が私のもとにころころのついた椅子に乗ってしゃーっとやってきて、「しゃる君、本って読む?」と宣った。
「ええ、まあ」と答えたのだが、ちょっと読んでもらいたい本があるんだけど、と彼が手渡した本は、どっかのアメリカ人が書いた「ハイ・コンセプト『新しいこと』を考え出す人の時代」 富を約束する『6つの感性』の磨き方」。
これは彼の考え方に非常にマッチする本だそうだ。これを読んで、私にも感性を磨け、と。
ぱらぱらとめくってきたら、各章の終わりには、括弧にくくられたなんか良い感じの言葉がつづられているようだ。
例えば
『二一世紀における「遊び」は、三世紀にわたって続いてきた産業社会における「労働」と同じ意味を持つだろうー知り、行動し、価値を作り出すための中心手段なのである』
とか。

いやだなあ。私は遊びは遊びでいいよ、労働じゃなくていいよ。

こういう本にはなんとなく、若いころ友達の家に泊まりに行ったときに読まされた、これまたどっかの外人の女が書いたセックス教本と似た空気を感じる。いや、役立つ人には良い本だと想うよ。幸福な人は、倦怠感に包まれた灰色の毎日が、カリスマビジネスマンだのラブメイカーだのによって喜びに溢れた人生に変わるだろうけど、私のように不幸な人にとっては地獄だ。こんな本を、しかも上司に薦められ、しかも我が部署のバイブルとして回覧しなくてはならないのです。あーあ。
しかも、「しゃる君、レオンとゲーテオーシャンズは必ず目を通しておくように。あと、素晴らしく参考になるのが、イタリアンヴォーグだよ」。

うわー。ちょっと吐きそう。


今、香水についての原稿を書いております。香水の原稿を書くというのは、頭のねじを一本弛めて息を止めて一気に書き上げるのがコツです。我に返るとあまりにセンセーショナルでエモーショナルすぎて恥ずかしくて死にます。

就業時間中に更新すると懲戒処分を受けるかもしれないので、一応就業時間をすぎてからの更新にしてみました。