位置づけ

Chartreuse2005-06-14

その美少年に、私の位置づけを訊いたことはない。そんな愚かなことはしない。
彼もそんな面倒なことは語らない。
ただ、ひとつだけ彼の口から語られた事実らしきものがある。


私は、彼の知っている女の子の中で一番カラオケがうまい。


その小さな小さな情報をもとに、私はどれだけのパイか想像もつかない彼の知る女の子たちの中で、他の女の子達が、何を歌い、どう歌うのか、想像してみたりする。
それを現実的に考えるにはあまりにも漠然としていて、嫉妬にも、優越感にも繋がらない。
だけど唯一、私の位置を計ることのできる情報。


もう26歳なのにいつまでもうだうだ言っているわけにはいかない。
とはいえ、26歳と言っても自分の年齢を痛感することって実はあまりない。もちろん、ランコムの7000円の乳液センセーショントータルやアイクリームに頼っているとはいえ、ここのところ肌の調子はいいし、徹夜だってまだまだできる。だけど先日ピアスの穴を開けるために入った渋谷の病院の待合室で、おそらくここの平均年齢は私の年より8歳は下だということに気がついた。眩しいね。そのはち切れそうな声。輝ける肌。尤も私は万年 26歳みたいな女で、最近ようやく年齢相応に見られるようになってきたのだけど。そう。人生で初めて年齢相応に見られる。今。それはちょっと不思議な感覚です。私が、世間の認知する26歳と釣り合っているなんて。 私は18歳の頃、それ相応の若々しさは(というのはちょっと悔しいな。そういうきゃぴきゃぴとした感じは)なかった。確実に今の方がガーリー。いや、ガーリーは若々しさの象徴じゃないな。むしろおばさん趣味だよね。18の頃はティファニーのシルバーのネックレスやバカにヒールの細くて高い真っ黒のサンダルを好んでいたが、今は魚モチーフの白蝶貝のピアスを欲しがったり、真っ赤なサンダルを欲しがる。ピンクなんかも着ちゃう。なんだろうね?可愛いものを身につけたいという欲望を表す図々しさを持つようになったのかしら。
ま、どうでもいいけれど、キリンジの「You &Me」を聴きながら相変わらず泣いたりなんかしていて、いっそのことぶつかっていって何もかも壊した方がラクだと思ったり、わざわざそんなことをして傷を作らなくても、なんとなくこの台風をやり過ごそうと思ったり、それで苦しくなって、私の弱い所を最もよく知っているかつての恋人に泣きついてみようかと思って携帯を開いて、いかんそれじゃああの人が普段私にやることとかわらないわ、結局似たもの同士ってことになるじゃないと思い直して、ひたすら、眠くなるのを待っているのよ。