作家志望

甘い一夜の後、その余韻に浸りつつ目覚めたら、どんなに眠くてもそれだけは洗濯機につっこまずにシルク専用洗剤で手洗いした大切なブラジャーを下敷きにぐっすり寝ていて、翌朝ワイヤーが変形してだらしなく横たわる惨めな戦友の姿をみて、寂寥感でいっぱいになった女の子は多いと思う。だから男の子はどんなに我を忘れようと、脱がせたブラジャーは最後の力を振り絞ってベッドの上からはたき落としてください。本当に、それだけでかなり、セックスの後の倦怠感から免れるんです。
そんなロマンスとは関係なく、私のブラジャーは寿命として変形している。変形したブラジャーは肩凝りや頭痛、体のゆがみなどを引き起こすのでよくないです。新しい下着が欲しい。しかし家賃更新を終えたばかりでそんな金もない。新しいブラジャーが欲しいよう。


昨日は六本木ヴァージンシネマズでアンコール上映中の成瀬巳喜男の「浮雲」を観た。いやー。すごいですね。女はここまでとことんやらなくちゃあ!て感じ。私も「今だけを愛して」なんてイマドキの子みたいなことを言ってないで、「死ぬまでついて行くんじゃ」くらいの勢いで愛さなければだめだな、と思った。
その後、作家志望でチョコクロ好きの男の子とサンジェルマン・カフェでお茶をする。彼はクールブラックとチョコクロ。クールブラックというのは、砂糖もミルクもくれない正真正銘のクールなブラックコーヒーのこと。179円なんですが、189円だせば、砂糖とミルクを使えるアイスコーヒーになる。なんだかな。実際に使う使わないは別にして、もう10円でいつでも砂糖とミルクが使えるという精神的余裕が生まれるなら、私は189円の方を選ぶよ。
ところで私の男の子の友達には、作家志望でチョコクロ好きが多い気がします。なにか相関関係があるんでしょうか?もしこの日記を読んでくださっていて、僕も作家志望でチョコクロが好きという男の子がいたらコメントかメールをください。私の集められるサンプルとして10人も集まれば、かなり信頼できる定義になるのではないかと思います。


「作家志望の男の子はチョコクロが好き」。


愛知万博の誘いをあっさり断られがっかりする私に向かって彼は、創作活動についての悩みを語る。相変わらず作家になりたいそうで、壮大な構成はあるのだという。でも、書き出しが気に入らず、書き直しては書き直して、書き直して書き直しているそうだ。がんばれよー。「君は小説を書かないのか」と訊かれたので、「書かない」と答えた。私に書けるのは、日記と手紙くらいのもんです。
あー。仕事しないと!